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出撃!魔女飛行隊 [女性と戦争]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

ブルース・マイルズ著の「出撃!魔女飛行隊 」を読破しました。

以前から読みたい読みたいと思っていた一冊です。
なかなか手頃な値段で手に入らないので有名?ですが、
なんとか、1800円で購入できました。当然、一気読みです。

英国人の著者が実際の元ソ連女性パイロット30名余りとインタビューを行い、
様々なエピソードをまとめた本書は、原題の「夜の魔女」、すなわち有名な
女性パイロットで構成された「夜間爆撃機連隊」だけでなく、
昼間爆撃機連隊、戦闘機連隊という3つの女性部隊の活躍を描いています。

出撃!魔女飛行隊.JPG

伝説的な女流パイロット、マリナ・ラスコヴァ少佐の呼びかけにより集まった
20歳前後の女性志願者たちは、厳しい訓練を経て、前記の3つの連隊へ
パイロットとして、または航空士として、或いは地上勤務の整備士などとして
ふるいにかけられます。
男性物のブカブカの軍服を裁縫で仕立て直し、可愛らしい刺繍も付けたりと
女性らしさを発揮しつつも、男性社会での反発や批判的な声にさらされます。

Marina Raskova.jpg

そしてこの本の主役であるリディア・リトヴァク少尉は戦闘機パイロットとして
頭角を現し、最前線であるスターリングラードの第73親衛連隊へ送られ、
ドイツ軍機12機撃墜という戦果を残す、エース・パイロットとなっていきます。

Lydia_Litvyak.JPG

この小柄で可愛らしい女の子を巡る逸話は数限りなく、当然、英雄として取り上げられ、
その白薔薇(本当は白百合だそうですが)を描いた機体から
ドイツ軍からも「スターリングラードの白薔薇」と呼ばれたそうです。
このような写真も見ていると、なにか「宮崎駿アニメ」に近い気がしてきますね。

white-rose-of-stalingrad.jpg

しかし、同じ連隊の指令や目の前で墜落した恋人の死と悲劇は続き、
やがて彼女自身の運も、わずか22歳という若さで尽きてしまいます。
ドイツ軍のBf109戦闘機8機の集中攻撃を受け、
そのYAK戦闘機と遺体も発見されることはありませんでした。

この原著は1982年なので、”リリー”リトヴァクについてはこれまでですが、
その後、彼女の乗機の残骸と、その傍に埋葬されていた彼女の遺体が発見され、
1990年、ゴルバチョフ大統領により国葬が執り行われ、ソ連邦英雄の称号を贈られたそうです。

Lydia Litvyak.jpg

ソヴィエト/ロシアでは女性が第一線の兵士として戦ったということは、
映画「スターリングラード」でもレイチェル・ワイズが女スナイパーとして
登場したように、良く知られているところです。
実際、何万人の女性が従軍していたかは知りませんが、
ドイツを初めとして当時の他国では、ちょっと考えられなかったのでは・・。
ハンナ・ライチュも兵士ではないですしね。。

以前になにかで聞いたか、読んだかした話ですが
政治将校のダンナが戦死したとの知らせを受けた嫁さんが復讐を誓い、
T-34をゲットして、自ら車長としてドイツ軍へ突撃していった(当然、戦死です)
という・・・実話かどうか別として、さもありなん。。。



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コメント 11

IZM

これ、今読んでますー。当時女性は銃後にいたものとばかり思っていましたが、ロシアはちがったのですね。そこに惹かれて、購入しました。
by IZM (2010-05-09 18:50) 

ヴィトゲンシュタイン

IZMさん、こんばんわ。

この「夜の魔女」や”リリー”リトヴァクの物語は、いつハリウッド映画になってもおかしくないと思っていますが、
やっぱり、現代モノや脇役ならいざ知らず、一般的に西側ではちょっと現実味が無いのかもしれませんねぇ。
本書は旧版をプレミア価格で買ったんですが、1ヵ月後に学研から再版されて、ガックリ来たことを覚えています。。。

by ヴィトゲンシュタイン (2010-05-09 20:27) 

IZM

こんにちは、
おはずかしながら、まだこの本を読み終わってないのですが、今日、ロシア人の友人にこの本の話をしたら、「ロシアでは映画になってるよ。夜の魔女って、タイトルだったわね。」と言われました。60年代くらいというのですが。
ハリウッドでは・・・・どうでしょうね。
ワタシは今のところ「鉄十字のエースたち」が復刊されることを願っております。
by IZM (2010-05-24 04:38) 

ヴィトゲンシュタイン

IZMさん。こんばんわ。
いつもワールド・ワイドで楽しい情報をありがとうございます。

60年代のロシア映画ですかぁ。。
ちょっとロシア語も交えて検索してみましたけど、ヒットしませんでした。。

「鉄十字のエースたち」は名著ですよね。
特にメルダースとマルセイユは戦死していますし、有名なワリには主役の本もありませんし。。。
マルセイユは昔のドイツ映画「撃墜王アフリカの星」は出ているんですけれどねぇ。
by ヴィトゲンシュタイン (2010-05-24 19:37) 

IZM

中途半端な情報ですみませんでした。もし、もう少し詳しく分かったら、またカキコします。
「鉄十字のエースたち」が、今は入手困難なようなので、未読です。代わりに、「不屈の鉄十字エース・エーリッヒハルトマンの半生」を読んでいます。こんな素敵なドイツ人が、かつていただなんて!と、目から鱗です。
マルセイユに関しては、日本で彼についての書物が少ないということなので、ドイツの、彼の特集されてる雑誌を買ってみたら、旦那に「こんなネオナチしか読まないような雑誌買っちゃって・・・。」と泣かれました。普通のドイツ人に話すと、ドン引きされてしまいます。そんなつもりではないのに。
あと、数日前に「アフリカの星」というタイトルで、マルセイユのドキュメンタリーのDVD購入してみました。まだ見ていないのですが。映画のほうは、アマゾンのレビューがまあまあだったので、今回は見送りました。いつか機会があったら、見たいですね。
まだまだこの世界に興味を持って間もないので、こちらのブログは非常に参考になります。
これからもレビュー楽しみにしておりますので!



by IZM (2010-05-26 05:09) 

ヴィトゲンシュタイン

「不屈の鉄十字エース」は自分が読んだルフトヴァッフェものでも、No.1かも知れません。。。
このブログでも2つ目のレビューですし、ハルトマンの可愛い顔からは想像のつかない「鉄十字エース」っぷり~「不屈」っぷりは、男して純粋に感動してしまいます。
マルセイユのドキュメンタリーのDVDっていうのも凄いですねぇ。
「撃墜王アフリカの星」はDVD持っているんですが、映画としてはソコソコ・・、しかしコレで彼の半生を知ることが出来たので、それなりに思い入れのある映画です。
旦那さんに泣かれた話は最高でした。そのうち、IZMさんのブログにもお邪魔します。
by ヴィトゲンシュタイン (2010-05-27 22:30) 

IZM

ヴィトゲンシュタインさん、とうとう読み終わりました。他の色々な本と平行して読んでいたため、中々進みませんでしたが。
読んでいて、こんなに何度も鳥肌が立った本は今までに無いかなって思いました。同じ女性として、ついついどっぷり感情移入してしまい、何度も泣いてしまいました。いやー、読んで良かったです。
あ、あとがきに 1979年にウクライナ西北部で、リリー・リトバクの遺体を発見した、と追記されてました。もしかしたらもうご存知かもしれませんが。。。

ちなみに、マルセイユのドキュDVDは、ワタシにはそれほど面白い内容でもなかったのですが、「ボーナス映像」で、砂漠でロンメル大佐がお茶をすすってる映像や、若い兵士達が戦車の上に鉄板を乗せて、その上で目玉焼きを焼いてぱくついているというような、当時の兵士達の日常が垣間見れ、本編よりもそちらにちょっと感動してしまいました。
本編は、当時の上官や同僚の回想インタビューがあり、ヒトラーとの対面・授与式の映像と、戦闘中の飛行映像がちょっとづつ見られるだけでした。

by IZM (2010-07-05 05:22) 

ヴィトゲンシュタイン

いや~、お疲れ様でした。感動してもらって良かったです。
やっぱり、このテーマでは女性の感想が貴重ですねぇ。
これは是非とも女性に読んで欲しい一冊なので、 IZMさんのブログでもなんとか紹介してやってください。
ココはあんまり女性はいなさそうなんで・・・。

マルセイユのドキュDVDは、たぶん誰でも面白くなさそうですね。。
ちょっと探せば「youtube」でも見つけられそうな、わりと知られた映像集のように感じますね。
by ヴィトゲンシュタイン (2010-07-05 21:08) 

まる

はじめまして。リトヴァクといえば
航空機に対する情熱と同じくらい、女性としてのお洒落に
執心していたこと、そしてそれに絡んだ上官とのトラブル、
この二つがセットになった逸話が数多くあり、そうした
強烈なキャラクターでもマニアから人気を得ていますね。

彼女の遺体発見については、研究者によって見解が分かれてるようでして、実は遺体は実際掘り返す事自体してないという
情報もあり、個人的には不時着して独軍の捕虜になったというある研究者の説に傾いてるんですが、それもあまり考えたくないですね。
by まる (2014-09-28 02:14) 

ヴィトゲンシュタイン

ど~も、まるさん。はじめまして。

リトヴァク嬢、確かに様々な説がありますね。
本書で紹介した女の子らしい逸話も、ソ連のプロパガンダを知っていれば、どこまで事実なのか?? となってしまいます。。

また生死の問題も、捕虜収容所で出会ったとか、スイスのTVに・・など、諸説ありすぎなくらいですね。ドイツ軍は西側の空軍捕虜については寛大だったようですけど、ソ連パイロットの扱いがどうだったのか・・、
エース同士、一緒に酒を飲んだという回想録もあったと記憶してますし、戦後も別名で生き延びていた・・なんて説であってほしいものですね。

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