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海の狩人・アトランティス [ドイツ海軍]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

W・フランク/ベルンハルト・ローゲ著の「海の狩人・アトランティス」を読破しました。

1940年4月から連続航海記録ともなる1年半に渡る通商破壊作戦において
22隻撃沈という戦果を挙げた「仮装巡洋艦」アトランティスの戦記です。

通商破壊作戦といえば、Uボートやポケット戦艦の活躍が有名ですが、
地味ながらも連合軍から「海のガラガラヘビ」と恐れられた仮装巡洋艦については
この本以外ではなかなか知ることが出来ません。
アトランティス唯一の艦長であった、ローゲ艦長の一人称で、その偽装の過程から
インド洋、太平洋までも暴れまわり、イギリス巡洋艦に撃沈されるまでを描いています。

海の狩人.JPG

「仮装巡洋艦」というものが一般の商船のフリをして、いざとなると偽装を剥ぎ取り
6インチ砲などで敵国商船を撃沈するという程度のことは知っていましたが、
偽装というものがもっと複雑であって、ある時はロシア船、またある時はノルウェー船、
更には日本船と状況と活動水域などによって様々に変身します。
当然、外見からペンキで色を変えたりと、正に獲物を狙うカメレオンのようです。

Atlantis.jpg

そして重要なのが自らの存在を知られないようにするという欺瞞工作で、
機雷設置もUボートの仕業のように見せかけたり、他の通商破壊船を装うことで
情報の混乱を狙います。
このような欺瞞情報は、結局途中で建造中止となった空母グラーフ・ツェッペリンが
作戦中であるという情報がアトランティスにももたされて、思わず苦笑いしてしまいます。

Bernhard Rogge.jpg

そして長い航海のなかでは、ポケット戦艦グラーフ・シュペー
戦艦ビスマルク撃沈の報も入ってきます。
同じポケット戦艦でもアドミラル・シェアとは途中、会合を行うシーンもあって
あちらの戦記と併せて読むと非常に楽しめます。



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ヒトラーの戦士たち -6人の将帥- [ナチ/ヒトラー]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

グイド・クノップ著の「ヒトラーの戦士たち」を読破しました。

ロンメル、カイテル、マンシュタイン、パウルス、ウーデット、カナリスという
著名な将軍たちの生い立ちから、ヒトラーとの関わり、
ホロコーストに対する責任等を様々な証言から検証した一冊です。

ヒトラーの戦士たち.JPG

特に国防軍最高指令部長官のカイテル元帥、
スターリングラードで降伏したパウルス元帥、
空軍内の陰謀、策略に飲み込まれた末、拳銃自殺を遂げたウーデット上級大将の
3人についてはあまり詳細に記述された本がないため、なかなか勉強になりました。

ホロコーストを全て知る立場にありながら、なぜヒトラーのイエスマンとして
終戦までその職務をカイテルは全うしたのか?

Wilhelm Keitel.jpg

参謀として出世を果たし、師団すら率いたことのなかったパウルスを
第六軍司令官としたこと自体が決定的な人選ミスであり、
それ故にスターリングラードの悲劇が起こったのではないか?

paulus.jpg

第1次大戦でリヒトホーフェンと共に活躍し、その後、曲芸飛行、飛行機映画のスターと
生粋のパイロットであったウーデットを新生ルフトヴァッフェの顔として重職に登用したことが
混乱と、後のルフトヴァッフェの崩壊を招いたのではなかったのか?

Goering and Ernst Udet.jpg

それ以外の3人についてもホロコーストとヒトラー暗殺計画への関与について検証しています。
なお、ロンメルについては「砂漠のキツネ」、「狐の足跡」、「ロンメル戦記」など、
マンシュタインは「失われた勝利」と「回想の第三帝国」、
カナリス提督なら「ヒトラーとスパイ戦争」でより知ることができます。

ただ個人的には、いわゆる「ワルキューレ作戦」への関与(賛同)の有無で、軍人たちまでを
評価してしまおうとする最近の切り口には反対です(クノップ本に限ったことではありませんが・・)。
参加しなかった人物に対して「臆病者」、「卑怯者」呼ばわりするのはあまりに短絡的過ぎます。

たらればを語るのはあまり意味のあることではありませんが、
仮にヒトラー暗殺が成功していたとしても、その後はクーデター側の思い通りに行ったとは限りません。
ドイツ国民を含め、まだヒトラー信奉者が多かったことや
ナチ党首脳やSSの存在は、国防軍対武装SSという内戦へ発展した可能性もあり、
また、西側連合軍の和平交渉は成立したとしても、東部戦線が崩壊したら・・・。
クーデター側の体制の弱さも責任ある軍人たちを躊躇させたということも考えられるでしょう。

本国ではTVドキュメンタリーとして放映されており、日本でも「ヒットラーと将軍たち」の
タイトルでDVD化(ウーデット除く)されていて、こちらもなかなか楽しめます。。





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ドキュメント ロンメル戦記 [ドイツ陸軍]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

リデル・ハートの「ロンメル戦記」を読破しました。

タイトルに「ドキュメント」とあるように、リデル・ハート「著」でなく
リデル・ハート「編」という一風変わった表現です。
これはロンメルの残した膨大な戦闘日誌と手紙をリデル・ハートが「編集」したものであり
ハート自身はあくまで、間違い等の訂正をするに留めていて、
強いて言えばロンメル「著」とも言えなくもありません。

ロンメル戦記.JPG

ロンメルは第1次大戦の経験から歩兵戦術の論文を発表し
(同じく歩兵出身のヒトラーからは高く評価されてたそうな・・)、
この第2次大戦においても本を著す予定であったことから、日々、戦闘記録を残し、
また、カメラ好きで有名なところもそのためであったようです。

1940年5月のフランス侵攻における第七戦車師団長としての記録から始まりますが、
その詳細な戦闘記録からは決して楽な戦いではなかったことが良くわかります。
そして当然大部分を占めるアフリカ戦線での記録は「砂漠のキツネ」や「狐の足跡」を
読んでいたにしても新鮮で生々しく、喜びと苦悩が伝わってきます。

Fritz_Bayerlein.jpg

戦闘記録の失われている期間は当時、アフリカ軍団参謀長を務めたバイエルライン将軍
当時の資料と記憶から補填しています。
しかし、これはこれでかなり面白く、特にロンメルが搭乗した鹵獲車両の通称「マンモス」が
英軍陣地に紛れ込んでしまい・・・という有名な逸話の続きがあり、
ロンメルがニュージーランド軍の野戦病院に入って行き、「なにか必要なものは?」と聞いた挙句
「イギリス軍の衛生材料を届けてやるから」と約束をして、なんら妨げられることなく立ち去った・・・
という信じられないような話が登場します。

Mammoth.jpg

他にも辛い退却戦の最中にスターリングラードで包囲されているパウルス将軍に対し
「彼のほうがよほど辛いだろう」と心配(対している敵軍の違い)する辺りはとても印象に残りました。

rommel0.jpg

度々「補給問題」を理解していないロンメルは「名将」ではないという意見も聞きますが、
この本を読むと決してそのような単純なことではないことがわかりました。
イタリア側から勲章を授与される度に「こんな勲章より、師団を送ってくれよ・・」等と愚痴っています。

この「ロンメル戦記」定価800円となっています。40年近く前の発刊とはいえ、安くないですか?
まぁ今なら文字の大きさから上下巻となって、やっぱり6000円位になるかも知れませんね。。



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大崩壊 -ゲッベルス最後の日記- [ヒトラーの側近たち]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

ヨーゼフ・ゲッベルスの「大崩壊」を読破しました。

インパクト充分のすごい表紙です。
一見、ホラー小説かと思ってしまいます。
この日記はゲッベルスが早口で口述したものを負けじと速記者が書き取り、
更にタイプされた後、マイクロフィルムとして保管されていたものだということですが
オリジナルは発見されていない(出版時点で)ようです。
なお、ドイツ敗戦間際の1945年2月27日から4月7日までの日記で構成されています。

大崩壊.JPG

この本の前書きにおいてはゲッベルスという人間を以下のように説明してます。
「いずれ劣らぬ凡庸なナチ高官の中で、彼はシュペーアとともに、ヒトラーが自分の
最側近に我慢した唯一の知識人だった。ものごとの把握に迅速で、
情勢の利用に機敏であるという意味で知的であり、多彩な才能の持ち主だが、
とくに国民の指導者および誘惑者として優れ、弁舌が立ち、スタイルを心得、
情緒的でかつコンプレックスが強く、病的に虚栄心が強く、限りなく自己中心的で、
権力欲が強く、冷笑的で、その魅力は計算されたもので、その批判は刺すようなものである彼は、
ヒトラー以外のほとんどすべてのものから最も好まれなかった、不気味な独善主義者であった。」

Joseph Goebbels.jpg

さて、このような人物の日記の内容はというと、まずは前日の軍事情勢からはじまります。
そして、連合軍各国および東欧諸国、或いは同盟国である日本の政治情勢までを
自らの見解や今後の展望として語ります。

ゲーリングについてはよっぽど嫌いなのか、ヒトラーに対し何度も更迭を迫ります。
その挙句、海軍司令官であるデーニッツを空軍司令官にしてルフトヴァッフェを建て直すという
意見まで出しますが、さすがにヒトラーにはあっさり却下されてしまいます。
最終的になぜデーニッツがヒトラーの後継者に指名されたのか、今だにはっきりしていませんが、
ゲッベルス、ヒトラーともにデーニッツの能力を高く評価していたことがここでは伺えます。

Hitler_Goebbels.jpg

ルフトヴァッフェについていえば連合軍爆撃機に対する「特攻作戦」、ジェット戦闘機問題にも触れ、
東部戦線ではグデーリアン解任、ゼップ・ディートリッヒへの袖章剥奪命令の様子、
その一方「最も冷酷な・・」として知られるシェルナーを
「最も優れた軍司令官」だとして、元帥にすべしとしています。

Ferdinand Schörner.jpg

「東京大空襲があった」という部分は非常に興味深く、
連日ベルリンで空爆に悩まれているゲッベルスも他人事ではなかったのでしょう。
また、謎の多い「人狼」作戦もその進行状況が日々語られます。

他にも、連合軍の各首脳、ヒムラー、ボルマン、リッベントロップ、シュペーア等の党の高官。
優れた司令官を誰一人として輩出できなったとする武装SSがゲッベルスの餌食になっています。

一読の価値ありと思いますが、とんでもないプレミア価格になっています(定価の10倍!)。
ヴィトゲンシュタインはなんとか、ほぼ定価で購入できました。



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ドイツ夜間防空戦 -夜戦エースの回想- [ドイツ空軍]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

ヴィルヘルム・ヨーネン著の「ドイツ夜間防空戦」を読破しました。

撃墜数34機の夜間戦闘機エースであるヨーネン大尉の回想録で、非常に面白い1冊です。
原題「星空の決闘」のとおり、英国爆撃機との夜間戦闘の描写がこれでもかと出てきます。

ドイツ夜間防空戦.JPG

レーダーの発達や機種、または戦術の進化により、有利・不利がめまぐるしく変化していき、
また、数百機の爆撃機に対して挑む戦いっぷりも壮絶で、
昼間戦闘機とは違い複座である夜戦は相棒とのやりとりもあって、なにか新鮮です。
ある意味、夜間戦闘機版「始まりと終り」や「Uボート戦史」とも言えるのではないでしょうか。

夜戦のエースパイロットはほとんど知りませんでしたが、著者のヨーネンの騎士十字章をはじめ
剣付柏葉騎士十字章の受章者(宝剣も)も多く、
ヘルムート・レントのようなスーパー・エース達とのちょっとした出会いも随所に出てきます。

wilhelm_johnen.jpg

また、アメリカ軍爆撃機との空中戦の末、中立国スイスへ不時着を余儀なくされた時の話は
特に興味深いものです。
当時のスイス軍の対応や同様に不時着したアメリカ軍爆撃機パイロットとの交流が語られており、
やはりここでもパイロット同士、敵味方を超えた互いの尊敬の念を感じることができます。

sayn-wittgenstein.jpg

そして、ハインリヒ・プリンツ・ツー・ザイン・ヴィトゲンシュタインは2~3頁ほどの登場ですが
なぜか強烈な印象を残します。完全に主役を喰う脇役の典型です。
「Princes of Darkness: Luftwaffe Night Fighter Aces」という洋書が発売されるようで
ぜひ日本版も出してほしいですね。





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