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桜花―極限の特攻機 [日本]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

内藤 初穂 著の「桜花―極限の特攻機」を読破しました。

遂にやってしまった日本軍戦記・・。
先月、靖国神社内の「遊就館」に行き、2Fの天井から吊るされた「桜花」のレプリカを見て
「なんじゃコリャ!」と衝撃を受けました。
帰って来るなり、1999年の再刊で330ページの本書を購入しましたが、
なんせ日本軍は将兵も兵器も全く知らず・・という、"ド"の付く素人ですから
ベテランの方々にお叱りを受けないよう、頑張って感想を書いてみます。。

桜花.jpg

昭和19年(1944年)夏・・、三浦半島にある海軍航空技術廠。
今後を見越した「将来機」の開発を担当する三木忠直技術少佐は、
グライダー爆弾の案を持ち込んできた人物と対面することに。
当時、ドイツからは伊号潜水艦でMe-163ロケット戦闘機「コメート」や、
Me-262ジェット戦闘機「シュワルベ」の資料が届き、コレを実機に復元中。
また、無人の有翼爆弾の「V1号」についても情報が入って来ています。

Me 163_Me 262.jpg

案を持ち込んできた太田正一海軍少尉は図面を広げて仕組みを説明。
「敵艦の近くまで一式陸攻で運び、適当なところで投下後、搭乗員が滑空降下しながら
敵艦に向かって針路を定めます。ロケットを噴かせて敵機をかわし、
体当たりで轟沈させます。一発必中です」。

人間が乗って体当たりする・・という説明を聞いた三木少佐は、
「なにが一発必中だ。そんな物が造れるか。冗談じゃない」と激高します。
しかし戦局を憂いている太田少尉も怯みません。「私が乗ってゆきます。私が」。
こうして始まった人間爆弾機「桜花」の開発。
全長6mの機体の前方部分に1200㌔爆弾を搭載するのです。

Ohka.jpg

10月には桜花専用の特攻部隊「第721海軍航空隊(神雷部隊)」が
岡本大佐を指令に、野中五郎少佐を陸攻飛行隊長として発足します。
しかしその頃、レイテ湾の敵艦隊、特に空母を叩く必要に迫られた日本軍は
250㌔爆弾を抱かせた零戦による体当たり攻撃を決定。
神風特別攻撃隊」を名乗った24名の若い志願パイロットが整列します。

250 kg bomb  Zero.jpg

「諸子はすでに神である。神であるから欲望はないであろう。
ただ、自分の体当たりの成否を知り得ないのが心残りであろう。
しかし、戦果確認機が見届けることになっている。
その戦果を必ず諸子の霊に告げ、上聞にも達するようにする。
安心して征ってくれ」。

Navy_Kamikaze_Lieutenant.jpg

空母1隻を撃沈、4隻を撃破したこの特攻は成功とされ、
訓練中の桜花隊にも志願兵がやってきます。
これまでの出撃で格別なのは、風防を開け、
白いマフラーをなびかせながら片手を振ってゆく恰好の良さ。
それなのに格納庫の人間爆弾を見て、目標空域まで母機の仮席に乗っていく・・
と知ってガッカリする隊員も・・。
「艦上攻撃機だと、死ぬとき誰も看取ってくれないぞ。一人ぼっちだ。
でも、これなら母機の連中が見ている前で恰好良く突っ込める。
物は考えようだよ」。
この事故も起きる新兵器のテスト・シーンはまるで「ロケット・ファイター」のようですね。

Yokosuka MXY7-K1 Cockpit.jpg

11月、完成した「桜花」50機が巨艦空母「信濃」に乗せられ、基地に向け出港したものの
米潜水艦アーチャーフィッシュによって葬り去られてしまいます。
う~む。。出だしは最悪ですね。
そして陸攻飛行隊長の野中少佐は、桜花作戦に疑問を呈します。
「俺は必死攻撃を恐れるものではない。しかし桜花を吊った陸攻が
敵まで到達できると思うか。援護戦闘機が我々を守り切れると思うか。
そんな糞の役にも立たない自殺行為に、部下を道連れにするなど真っ平だ」。

彼は続けます。
「運よく敵まで辿り着いても、司令部は桜花を投下した陸攻は
すみやかに帰投して、再び出撃するのだと言っている。
同じ釜の飯を食った部下が肉弾となって敵艦に突入するのだ。
それを見ながら自分らだけが帰れると思うか。
桜花を投下したら、俺も飛行機も、別の目標に体当たりを食わせてやる」。

Commander Goro Nonaka.jpg

南九州にある神雷部隊の各基地は米艦載機による空襲を受けることもしばしば・・。
そして1945年3月21日、偵察機から空母2隻を含む、敵機動部隊発見との報告が。
遂に「桜花」初陣の時。
野中少佐の18機の陸攻に、指揮官機以外に吊り下げられた「桜花」15機、
直接護衛の戦闘機32機、間接護衛23機という陣容です。

MXY-7 Ohka.jpg

出撃隊員は遺書をしたため、すでに今生とは決別。
20歳の嶋村一等飛行兵曹・・、
「これより私は笑いながら唄いながら散ってゆきます。
今春、靖国神社に詣ってください。
そこには幾多の戦友と共に、桜花となって微笑んで居ることでしょう。
私は笑って死にました。どうか笑ってください。
泣かないで私の死を意義あらしめてください」。

こうして飛び立っていった桜花攻撃部隊ですが、
整備不良のために護衛戦闘機の約半数が帰還してきます。
レーダーで探知した米空母ホーネットとベロー・ウッドからは
48機のグラマンF6戦闘機が発進し、野中のベティ(一式陸攻)に襲い掛かります。
その結果は野中隊の全滅に終わるのでした。

ohka-pilots.jpg

制空権が確保できない状況では、足の遅い7人乗りの一式陸攻は分が悪く、
桜花搭乗員1名だけでなく、一式陸攻の7名も犠牲になることから、
神雷部隊でも零戦に50番(500㌔)爆弾を抱かせた、爆戦との併用が検討されます。
戦艦でも空母でも桜花の一発で撃沈させるという「大物食い」の自負に
支えられてきた隊員たちは50番爆弾を抱いたところで、
威力は桜花(1200㌔爆弾)の半分にも満たないじゃないか・・。
そんな葛藤も最後には、
「桜花でも爆戦でも、俺たちの命が必要だと言うなら、死のうじゃないか」
と、結論付ける者もいれば、「俺はあくまで桜花で死ぬ」と決意する者も・・。

G4M2e_with_Okha_and_crew_1945.jpg

米軍の沖縄上陸を遅らせるための敵艦船攻撃。
岡村指令から命ぜられた人数の出撃搭乗員の選定をする林分隊長。
死地に赴く一人一人を指名するのは分隊長の任務とはいえ、23歳の身には残酷です。
桜花搭乗員表の真っ先に自分の名前を書いて指令に提出しますが、
「君は最後だ。その時はわしもゆく」と、「必死」の時が与えられるまで、
「死刑執行人」の役割を果たすことを暗に命ぜられるのでした。

4月1日の第2次桜花攻撃も全機失敗に終わり、
上陸した米軍によって沖縄の飛行場では、怪飛行機「桜花」が無傷のまま発見されます。
そして彼らにとって想像を絶する自殺攻撃機には「BAKA」と名付けられるのです。

MXY7-K1_Ohka_(Baka-11).jpg

4月6日には戦艦大和と呼応する航空総攻撃の「菊水一号作戦」が発動。
神雷部隊の50番爆戦「第三建武隊」18機を含む、海軍特攻機60機が出撃。
それとは別に海軍特攻機150機、陸軍特攻機60機も出撃するという、大特攻作戦です。
最終的に十号まで実施された菊水作戦の様子が、桜花部隊を中心に描かれ、
空母や戦艦を撃沈した・・と報告するも誤認が多く、
実際、撃沈できたのは駆逐艦に留まります。
もちろん大型艦にも大きな損傷は与えていますね。

U.S.S. Bunker Hill suffering the attack of an Yokosuka MXY-7 Ohka..jpg

一方、本土決戦を想定し、ターポジェットの改良型「桜花四三乙型」も開発され、
三浦半島の基地や、比叡山でのカタパルト発進も計画。
ターポジェットは例のMe-262「シュワルベ」を復元した「橘花」の原動機として
テストが繰り返され、その実用化を待つばかり。

そうか、先日、「勲章と褒章」という本を読んだばかりですが、
文化勲章のデザインが「橘花」でした。日本人には意味がある名前なんですね。
しかし「橘花」が試験飛行にこぎつけ、日本初のジェット機が空をよぎったのは
終戦間際の8月7日・・。

test_flight_of_the_Nakajima_Kikka.jpg

桜花を着想した太田中尉は、桜花に乗りたい一心で操縦の手ほどきを受けたものの
適正なしと判定され、多くの戦友を死地に送ったという事実と、
「戦争犯罪人は厳重に処罰される」というポツダム宣言が彼の心を責め立て、
自殺を匂わせたまま練習機で飛び去って行きます。

生き残ってしまった岡本指令は、3年後、鉄道自殺を遂げ、
さらに4年後には4本の桜が神雷部隊戦友会から靖国神社へ献木され、
「神雷桜」と名付けられます。
現在、気象庁はこれを標準木の一つとして、サクラ前線の通過を宣言するのでした。

Sakura cherry blossoms in Yasukuni Shrine.jpg

2日で読み終えましたが、2回ほど泣きました。。
コレを書いている途中では、キーボードが滲んで叩けなくもなりました。
ナチス・ドイツの「特攻」兵器としては「ヒトラーの特攻隊」のBf-109を使ったものや、
桜花のような親子飛行機の「ミステル」を紹介した本も読みましたが、
日本の特攻隊のような悲惨さは感じたことがありません。
特攻を美化するつもりはありませんが、
現在の一般市民を巻き込んだ「無差別自爆テロ」とは一線を画すべきでしょう。

Ohka (replica)_Yasukuni Shrine Museum.jpg

「神風特攻隊」を"カミカゼ"ではなく、カッコ書きで"しんぷう"と書かれているのも
印象的でした。本書を読むと、妥当なようにも思いますね。
その他、いろいろと調べているところですが、
設計を担当した三木少佐は戦後、初代「新幹線」のデザインにも携わったとか、
野中隊全滅の様子は、米戦闘機のガンカメラに収められ、カラー映像で見られるなど。。



桜花について書かれた本もたくさん出版されています。
「人間爆弾と呼ばれて―証言・桜花特攻」や、「神雷部隊始末記」、
また、林分隊長について書かれた本も発見しました。
「父は、特攻を命じた兵士だった。-人間爆弾「桜花」とともに-」というタイトルです。
う~ん。コリャ、大変な世界に足を踏み入れてしまいましたね。。

先月、靖国神社に行った際には、すでに桜は散っていましたので、
来年はいつもの上野公園ではなく、「神雷桜」を・・。









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でんこう

桜花に回天…文字通りの肉弾兵器の存在を知った時はショックでした。
その余りに非人道的な用兵思想が理解できず、それはそのまま日本軍そのものへの否定となりました。

しかし、戦記を読み、靖国や土浦の雄翔館を見学したことで当時戦いに臨んだ人々の勇気、覚悟、悲しみ、そして等身大の感情を知ることになりました。
特に雄翔館では出征する兵士に宛てた女性の手紙が展示されており、その女の子らしいイラストが添えられた可愛らしい文章を読んだ途端、涙が溢れてきました。

生まれ育った街が焼かれ、愛する人々が殺傷される現実を目の当たりにした当時の人々が自らの命を賭しても戦いに臨んだ事実は、今になってようやく理解できるようになったことです。

靖国神社を巡る社会の風当たりは依然として強いままですが、徒に強硬な発言をするだけの無責任な政治家達は自らの言動が本当に英霊達の為になっているのか、もう一度考えて欲しいと思う次第です。
by でんこう (2013-05-15 02:06) 

ヴィトゲンシュタイン

ど~も。でんこうさん。
遊就館にあった「回天」も印象的でしたが、本は読んでいないものの一応、これは鶴田浩二、松方弘樹主演の「人間魚雷 あゝ回天特別攻撃隊」を観て知っていました。しかし、本書の桜花はまったくだったので、ナニが何なのか・・?? という感じで読み進めました。

土浦に雄翔館というのがあるんですねぇ。いま調べてみました。う~ん。手紙や遺書はツライなぁ・・。
特攻はみんながみんな「天皇陛下万歳」って死んだわけじゃないのも理解できました。
また、でんこうさんの仰る通り、ボクが靖国で個人的に感じたように、政治家は内外に向けて、キチンと説明して欲しいですね。従軍慰安婦強制連行問題にしても、発言の仕方がヘタだと思います。
by ヴィトゲンシュタイン (2013-05-15 08:23) 

NO NAME

日本軍戦記物、来ましたね!

最近、ワタクシも「軍艦武蔵」という本を読みました。
絶望的な対空戦闘の記述を読んでいると、第三帝国ものを読んでいるときに感じない苦しさを覚えます!(おっと、この本おすすめですよ!)




by NO NAME (2013-05-15 22:23) 

ハッポの父


ヴィトゲンシュタイン様すみません。

また酔っ払いがやらかしました。
ハッポの父です!
by ハッポの父 (2013-05-15 22:28) 

ジャルトミクソン

いつも楽しみに拝見しております。

桜花ですか。
太平洋ものでも相当コアなものですね。
NHKで桜花を題材にした番組がありました。
去年だったか。
桜花隊員の生き残りがインタビューを受けていましたが、
「よくこんなものをつくったもんだよ」
と押し殺すような声で言っていたのが印象に残っています。

日本軍の特攻には「死を臨在させる/見せつける」ことそのものが目的になっている側面があります。
戦果とは関係なく。
ゲゲゲの鬼太郎の作者がラバウルで体験したことの手記なんかも陰惨です。
ナンガツナンニチまでに何人特攻させること、みたいなノルマの世界もあったようです。
by ジャルトミクソン (2013-05-16 00:33) 

ヴィトゲンシュタイン

ど~も。ハッポの父さん。

>「軍艦武蔵」という本
おぉ! 来たコレ! 
小学生の時に武蔵のプラモ買いましたから、コレはぜひ読んでみたいです。
大和の本は読む気がしませんが、武蔵は良いですね。実は本書に出てきた信濃の「 空母「信濃」の生涯―巨大空母悲​劇の終焉」を読んでみようかと思ってたんですが、コッチにします。やべー、ハマっていくなぁ。。
by ヴィトゲンシュタイン (2013-05-16 07:34) 

ヴィトゲンシュタイン

ど~も、 ジャルトミクソンさん。
NHKで桜花やってましたか。ホント、つい先月まで「桜花」知らなかったので、その番組も見逃しています。。
このまま「桜花」を詳しく読もうか、「特攻」を勉強しようか、それともその他の戦記を広く読もうか、いろいろ悩んでいるところです。ガダルカナルものは一冊、持ってるんですが・・。
>ゲゲゲの鬼太郎の作者がラバウルで体験したことの手記
コレは「水木しげるのラバウル戦記」ですか??
うへー。コレも実に気になります。
by ヴィトゲンシュタイン (2013-05-16 07:44) 

IZM

桜花のレビューご苦労様でした。特攻関連の本は色々読みながら、なかなか自分の中でどう捕らえていいのかよんでもよんでも答えが見つからないというか、収拾つかなかったのですがさすがヴィト様はちゃんと最後にまとめられていてすごいなあ~。。。。 (一人無駄な戦いをしていた気分になりそうです。。。orz)
ちなみに鶴田浩二は特攻機の整備兵をやってて、戦後「自称・特攻くずれ」で宣伝したため戦友会と一悶着あったとか何とかな話があって、知った時はおもしろ~と思ったものです。
「水木しげるのラバウル戦記」帰国時に買ってて、昨日独破しました。パプアニューギニアでのスケッチやイラストと、70歳くらいになった水木先生の回想記みたいな感じでした。でも水木先生の戦記漫画よんでからこれをよんだ自分としては補足的な本として「あー、このエピソードはあの漫画のあのシーンの。。。」みたいな感じで読めたので、この本から始めると、ちょっと断片的な感じではないかな?と思います。「総員玉砕せよ」か、「水木しげる伝・戦中編」あたりから始める方が分かりやすい気がしますが。。。 でもヴィト様にレビューして頂くならもちろん「劇画・ヒットラー」希望です。w
独破戦線第1回オフ会はそうすると靖国かなあ~?
by IZM (2013-05-16 21:53) 

NO NAME

太田正一海軍少尉は名前を変え1994年まで生存していたそうです。
wikipediaがソースですけど・・・
驚きました。そして、あきれました・・・。
by NO NAME (2013-05-16 22:09) 

ヴィトゲンシュタイン

ど~も。 IZMさん。
とてもうまくまとめられていないですよ。いつものように興味深かった部分を抽出しただけで、「桜花」を理解するには、最後に挙げた2冊は読む必要があると感じています。
鶴田浩二が特攻の生き残りというのは昔から有名ですが、そうですかぁ。始めて知りました。
今日は神保町巡りをしてて、「水木しげるのラバウル戦記」、「劇画・ヒットラー」も発見しました。
でもハッポの父さんお勧めの「軍艦武蔵」が売ってなくて・・疲れた。。
オフ会・・、それまで生きているのか不明です。。

by ヴィトゲンシュタイン (2013-05-16 22:57) 

レオノスケ

こんばんは。
独破戦線もついに太平洋方面に進出ですね。
「桜花」の話は悲しすぎますよね・・・。マリアナ海戦以降の日本軍は悲惨そのものです。「桜花」を描いた松本零士のマンガ「音速雷撃隊」も泣けます・・・。
武蔵と言えば、渡辺清氏の「海の城」と「戦艦武蔵の最期」はぜひ読んでいただきたい本です。渡辺氏は武蔵に乗組んだ少年水兵で、「海の城」は陰湿な艦内生活、「戦艦武蔵の最期」はレイテ海戦での対空機銃配置の壮絶な戦闘を描いています。実際に体験したこと、目にしたことが元になっており、その生々しい表現に初めて読んだときは衝撃を受けました。

余談ですが日本軍の戦記を読み始めると当時の軍官僚機構や組織、人事まで気になり始め、自分なりに全将官の履歴書を作るほどになってしまいました。あー、この人が将官になってるのに同期のあの人はまだ軽巡の艦長だったんだーとかいろいろ興味がわきます。
by レオノスケ (2013-05-16 23:08) 

ヴィトゲンシュタイン

NO NAMEさん。コメント、ど~も。
太田正一海軍少尉の件、wikiにも確かに書かれていますが、実は本書のあとがきにも、もう少し詳しく書かれています。
「最後の最後まで桜花の発明を悔やんでいたという。」ということまで書かれていますが、結局、その情報も死後のことですし、彼がなぜ生き延びたのか・・??ということはわからないままです。
そんな理由もあってボクは「自殺を匂わせたまま・・」という表現を使いました。
今回は「桜花」という特定の兵器に限定していますが、もし、「桜花」が発明されなくとも、爆戦での「特攻」がメインだった以上、その本質と人的損失はたいして変わらなかったでしょうし、ただの一少尉に非人道的戦術の責任を負わせるのではなく、責任があるとすればソレを決定した上層部であると思います。
例えが違うかも知れませんが、単なるSS中佐で一介の課長でしかなかった(逃亡した)アイヒマンに、ホロコーストの責任を負わせるのと同じ気がします。


by ヴィトゲンシュタイン (2013-05-16 23:22) 

ヴィトゲンシュタイン

レオノスケさん、ど~も、こんばんわ。
いや~、やっぱり皆さんお詳しいんですねぇ。。
なんなんだろう。。やっぱり戦記は日本軍からドイツ軍・・という流れなんでしょうか??
本日、神保町のデカイ本屋さんで日本軍戦記を初めて真剣に見てみましたが、量が多すぎる! だいたいナチス関係でもこれだけ多いのに、数倍です。いったいなにから読んで良いのやらやら~。

>独破戦線もついに太平洋方面に進出ですね。

コレはまだ悩んでますよ。カテゴリーはあくまで「番外編」ですから!
英米のカテゴリーもありますし、ソ連、フランス、イタリアも・・。
ですから、太平洋戦争、大東亜戦争ではなく、「ナチス・ドイツの同盟国の戦記」という無理やりな位置づけにするかも知れません。。
あ~、今日、「戦艦武蔵の最期」って本を見かけたような・・。
他にも日本軍人列伝やら、空母、戦艦列伝みたいなシロウト向きの本もあって、こんなのから行くべきか・・とちょっとブルーになりました。

もうスッカリ酔っ払ってますので、日本語になってなくともご容赦願います!
by ヴィトゲンシュタイン (2013-05-16 23:39) 

ジャルトミクソン

老婆心ながら太平洋のものでオススメの本を三つだけ。

大岡昇平「レイテ戦記」
高木俊朗「インパール」5部作
亀井宏「ガダルカナル戦記」

これらの本は読み終えて何年経ってもどこかしらのフレーズが頭から消えません。
by ジャルトミクソン (2013-05-17 02:47) 

ヴィトゲンシュタイン

ジャルトミクソンさん。ど~も。
三つとも知らない本ですが、ちょっと調べてみると評価の高い、大作揃いですね。
オススメありがとうございました。

by ヴィトゲンシュタイン (2013-05-17 08:23) 

井無田博道

僕も右も左もわからぬ愛国青年だったこともありましたが、その時は特攻隊員たちの壮絶な最期にひっくひっく泣いたものです。しかし自分もいつしか社会のしょっぱさを味わい、上が無能&自分勝手だと下が半端なく理不尽な目にあうことを知りました。その時から、彼らは勇敢だったけれども、上の無能の尻拭いまでさせられていたように思えてきたのです。まあもちろん他人さまにまでこの中途半端な意見を強いることはありませんが、回天や桜花は見るのも嫌な平気です。どう考えても勝つためではなく死ぬための兵器だからです。”ワンショットライター”に1200キロ爆弾とはなんの冗談なんだと。しかし私のようなボンクラが日本軍部をわざわざ悪く言うのもなんかアレですし場違いでしょうからこの辺で。不快に思われた方には深くお詫びします。

桜花という見たくもない兵器について久しく真摯に読むことができたのはひとえにヴィトゲンシュタイン様の文章力・構成力の為せるわざです。番外編も楽しませていただきました!私からのお勧めは「ペリリュー・沖縄戦記」に「沖縄シュガーローフの戦い―米海兵隊地獄の7日間」です。どちらも日本軍がいかにすさまじい戦いぶりを見せたか、米海兵隊の視点で記した戦記です。日本軍将兵の闘魂、まさに壮絶の一言であります。
by 井無田博道 (2013-05-17 15:56) 

ヴィトゲンシュタイン

ど~も。井無田博道さん。こんばんわ。
なるほど、とても興味深いお話です。
ボクは第2次大戦について勉強し始めたのはこの10年ほどです。しかも日本軍戦記では戦争の本質を客観的には理解できないと思って、ヨーロッパ戦線に走りました。
ですから、「特攻」についても敢えて目を背けていましたので、いい歳こいて、どう感じるのか・・自分でも興味があります。
そんな意味では、軍の特攻戦術よりも、20歳ソコソコのパイロットたちが何を思って飛び立ったのか・・??。
ナチス・ドイツにしても、ティーガーや、U・ボートの性能やら、マンシュタインの戦術よりも、軍人を含めた(SS隊員も!)当時の一般のドイツ人が何を思い、考えていたか・・?? に一番興味があるんですね。

しかし日本軍戦記は未知の世界ですね。
なんてったって、本書を読んでて「爆戦」ってなんだ?? とか、「一式陸攻」って?? て感じでした。。その都度、webで調べて、
爆戦 ⇒ 爆撃戦闘機 ⇒ 戦闘爆撃機 ⇒ 「あぁ、ヤーボのことか・・」。
そんな地道な努力によって、”ワンショットライター”が「一式陸攻」であることも現在は理解できていて、ニヤリとしました(ちょっと自慢、ふっふっ)。
とにかく、今回の記事を気に入ってもらえて、ホッとしました。
オススメの2冊、早速チェックしました。米海兵隊の視点で記した戦記・・というのが良いですね。
あまりに日本寄りだったり、美化しているものは読みたくないですから、面白そう。このままソッチに突っ走りそうですが、次回は久々の??ヒトラー本で・・。
by ヴィトゲンシュタイン (2013-05-17 20:01) 

りかの配偶者

本書は桜花・神雷部隊に関心を持った人が最初に読む本として最適だと思います。全体的な流れが掴めると思います。

特攻機桜花。現代の平和な世の中に生きる者からは想像を絶するものがあります。
長期化した戦争は敗色濃厚であり、祖国が危機的な状況へ推移します。練度の高い搭乗員で敗れてきた戦いを、練度の低い者での戦闘が求められます。自分を犠牲にしてでも組織・祖国への貢献・献身する土壌があった兵士達。自分達がやらねば誰がやる、といった使命感が彼らを追い詰めてしまった、とも言えるかもしれません。
やらせた統帥部の責任はあっても実施した彼らを誹謗中傷するのは筋違いと考えるようになりました。継戦の是非、合理性などは最前線に立つ兵士には無縁と言って良いでしょう。

>何を思い、考えていたか・・??
これは「人間爆弾と呼ばれて」を読めば幾分か理解しえると思います。自分は湯野川さんの手記を読んで特攻に対する考え方が変わってしまいました。ご一読、ぜひお勧めします。

>爆戦
これは戦闘爆撃機の事ではなく、500キロ爆装零戦の事だと思います。なにしろ初出撃で18機の一式陸攻を失い、その3日前に宇佐で18機喪失、二個飛行隊が壊滅してしまいました。桜花の母機が決定的に不足してしまったので桜花隊の中から希望者を募り、爆戦隊を編成したわけです。軽快さが信条の零戦に爆装(しかも500キロ)して特攻機としたわけです。揚げ足をとるようですみません。

コメントを書こうと思っても考えがまとまらず、すぐに書けませんでした。やはり… 息が詰まる感じなんですね。ドイツの話は何かこう、、遠い国の話のように感じるんですが、桜花となるとリアリティがありすぎるんです。存命の方もいらっしゃいますしね。本質的には日本もドイツも同じだとは思うんですが。
by りかの配偶者 (2013-06-07 13:47) 

ヴィトゲンシュタイン

りかの配偶者さん、コメントありがとうございます。
どんなもんだったかなぁ?? と3週間、気にしていました。
「人間爆弾と呼ばれて」は今度読んでみます。
それから「爆戦」が「500キロ爆装零戦」というのは理解していたつもりなんですが、イコール「戦闘爆撃機」(で特攻する)なんだ、と思ってました。ちょっと違うようですねぇ。もっと勉強しなければ・・。

初めての日本軍戦記。ボクも苦労しました。知識の問題だけでなく、客観的にも書けませんねぇ。ジョークぽいことを書くにも気を使いますし、難しいなぁ。実は、もう2冊ほど読んでるんですが、日本軍を書くのには向いてないかも知れません。
by ヴィトゲンシュタイン (2013-06-07 19:21) 

りかの配偶者

>3週間、気にしていました
やっぱり… 遅くなってすみませんでした。
リクエストしただけに書かねばと思ってました。やっぱり重たい内容ですからね。でも軽い気持ちで書けるものでもありませんよね。そりゃあ、興味本位で書ける内容ではないですよね。ヴィトゲンシュタイン様もしっかり受け止めて書いて下さいました。扱って頂いて本当に嬉しかったです。

本書の内容からすれば機材・機種・用語などは取るに足らない事です。爆戦云々は忘れてください。「向いてない」などと仰らずにドンドン書いて頂きたいです。「熱望(血判)」です。

ようやく書いたコメント。今日ラジオの音楽番組で湯川れい子さんの声が。湯川れい子さんは湯野川大尉の妹さんです。なんか呼んでしまったような気がしました。
by りかの配偶者 (2013-06-07 22:12) 

ヴィトゲンシュタイン

いえいえ、先日nice!はいただいていたので・・。
実はボクも驚くほどいろいろな方からコメントいただきましたし、アクセス数は今でもかなり多いんです。この本のタイトルで検索すると、いまやamazonの次に表示されてしまいます。 ですから一字一句気を付けないと・・と、余計プレッシャーもかかりますね。

このBlogは読書感想文ですから、例えば、ある日本軍戦記を読んだものの、本としての出来が悪く、内容に対して否定的なことを書いたとしても、そう受け取ってもらえず、日本軍の戦い方や将兵、兵器を批判していると勘違いされかねません。
まぁ、でもそう仰っていただけるなら、ビビらずにまた書いてみます。

>湯川れい子さんは湯野川大尉の妹さんです。
そんなこともあるんですね。またプレッシャーかかってきました・・。
by ヴィトゲンシュタイン (2013-06-08 07:15) 

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