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ドイツ空軍エース列伝 [ドイツ空軍]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

野原 茂 著の「ドイツ空軍エース列伝」を読破しました。

2~3年前から買おうとチェックしていたにもかかわらず、なぜか見送り続けていた本書ですが、
先日、ヤフオクで500円で出たのを見逃さずにゲットしました。
本書は1992年に発刊された「ドイツ空軍エース列伝 (図解 世界の軍用機史)」の改訂版として
2003年に新装されたもののようです。
「○○列伝」モノということでは「Uボート戦士列伝」、「ドイツ軍名将列伝」に続く、
列伝シリーズの3回目になりますね。

ドイツ空軍エース列伝.jpg

第1章は「昼間戦闘機」のエース・パイロットですが、実はこの第1章が283ページの本書中、
ほとんどの260ページを占めています。
その筆頭として登場するのは、世界最高の撃墜数352機を誇る"不屈の鉄十字エース"ハルトマン
その後は撃墜数順にバルクホルンやギュンター・ラル、ノヴォトニーなど、300~200機台を撃墜した
超スーパー・エースが続々と登場。

Gunther Rall.jpg

221機撃墜のハインツ・ベーアも、その内訳は英米機125機というマルセイユに次ぐ2位、さらに
Me-262での戦果16機は、ジェット戦闘機No.1ということも詳しく書かれています。

スコア203機で登場するのは勿論「203の勝利」リッペルト
クルピンスキーシュタインホフや個人的に大好きなリュッツォウエーザウプリラー
「アフリカの星」マルセイユと100機台でも有名人のオンパレードですね。
"スーパー童顔"のオスターマンもしっかり登場してきます。

Streib.  Barkhorn .  Walther .  Bühlingen .  Jabs . Jope .  Seiler .  Bätcher .  Ademeit . s Wiese .  Petersen .  Otte .  Krupinski.jpg

登場人物は白黒ですが全て写真付き、その写真がない場合は、似顔絵で代行します。
また、彼らの愛機のイラストと方向舵に描かれたスコア・マーキングも丁寧に解説。
西部戦線の独空軍」で途中からJG26からいなくなってしまったミュンヘベルクも後の活躍、
JG51、JG77でのスピットファイア・キラーぶりと、その最期も紹介されていました。

muencheberg.jpg

この本書の紹介順、撃墜数(スコア)順ですが、面白いのは必ずしもスコアが多ければ多いほど
有名パイロットという訳ではない・・ということですね。
200機以上のエースは東部戦線でソ連空軍相手に荒稼ぎしたパイロットですが、
開戦当初から活躍し、西部戦線や北アフリカ戦線で実力伯仲の英空軍相手に戦った場合には、
撃墜数は100機そこそこです。
また、このような後者の大エースは100機撃墜を目処に、前線から外され、
デスクワークに就かされるので、そのスコアも必然的に止まってしまいます。

Bf109 in the best desert camo.jpg

それが逆に本書では良い結果を生んでいて、例えば、115機のメルダース
103機のガーランドといった戦闘機隊総監を勤めるなど、
後世にも名を残した偉大なパイロットの登場するのが中盤過ぎ・・
ということで、読者を決して飽きさせない内容となっています。

また、撃墜した敵についても戦闘機だけではなく、B-17などの四発重爆キラーもきちんと紹介され、
トータルのスコアとしては102機と目立たないものの、44機の四発重爆を撃墜した
ロールヴァーゲも偉大なNo.1重爆キラーとして高く評価されています。

JG53-Herbert-Rollwage.jpg

この「独破戦線」で紹介したエース・パイロットはほとんど登場しますが
唯一、途中で気がついたのは、バルカンで惨殺されたキルシュナーが出てないなぁ・・と。
そこで「はじめに」に書かれている本書の紹介基準を確認すると、
それなりの写真や乗機のマーキングなどがわかっているエースが対象だということでした。

登場しない・・という意味では、全軍で唯一の勲章「黄金宝剣柏葉騎士十字章」を持つ大エース、
シュトゥーカ大佐こと、ルーデルは登場しません。特にタイトルにも書かれていませんが、
本書は戦闘機パイロットに限定しているんですね。

そして100機を切っても、フライヘア・フォン・マルツァーンやトラウトロフトなど、
人格者として尊敬を集めたことで知られるエースの姿も・・。

Von Maltzahn.jpg

本文のプロフィールは生年月日から始まり、各々のその死までキチンと書かれ、
彼らのスコアが止まった理由も明確です。
終戦まで戦い、戦後は一般市民として生きた者もいれば、ハルトマンのように理不尽にも
ロシアで何年も拘留されたパイロットたち。
敵機に撃墜されて戦死した者もいれば、マルセイユのように事故死だったり・・。

Hans-Joachim Marseille bandaged up and on a stretcher, his injuries were extensive and ultimately fatal..jpg

最も印象に残ったのは、被弾により右目を失いながらも復帰し、その後、
B-17を2機撃墜するも、同時に残る左目も失ったというリッチェンス曹長。
そしてバトル・オブ・ブリテンで撃墜され、捕虜となってカナダの収容所へと送られたものの
脱走に成功し、米国、メキシコ、南アメリカと大陸を縦断して、ドイツに辿り着くと
再び、英空軍との戦いに身を投じ、その帰還から半年後に戦死してしまった
フォン・ヴェラ大尉でしょう。

Von Werra.jpg

この話すごいなぁ~と思ったら、若きハーディ・クリューガーが主演を務めた
「脱走四万キロ」の元ネタだったんですねぇ。

最後の20ページは第2章、「夜間戦闘機」のエース・パイロットです。
夜戦パイロットとして100機を越えるスコアを持つ、シュナウファーレントという2人に続き、
第三位のヴィトゲンシュタインもしっかり登場し、その最期も思わずジ~ンとするような
書きっぷりです。
「燃料の続く限り敵機を追い求め、夜戦エースのトップに立つことだけを夢見ていた
熱血漢の貴公子は、こうして線香花火のような最後の輝きとともに散った・・」。

Sayn-Wittgenstein01.jpg

途中、編隊の組み方や空軍の襟章、肩章のイラスト解説などのコラムもあり、
写真とイラストの充実した、中だるみのさせない見事な編集の1冊でした。
この100名を超えるエース達のうち、自分が名前だけでも知っているのは半分程度でしたので、
今の知識で読んだことで楽しく、また勉強になる、絶妙なタイミングだったと思います。







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コメント 4

IZM

ひいき目に見るつもりはなくっても、旧ドイツ空軍の華々しさったらないですね。
そしてプリンツも登場するのですね。楽しんでよまれたようですね。^^ワタシが今よんでもきっと片手で数えられるくらいしか分かんないんでしょうけど。。。
余談ですが、ドイツのTVでは現在「ドイツ軍紹介バラエティ」みたいなのをやってます。訓練・仕事紹介と、芸能人を特訓してパラシュートつけて落下させたり。。。 兵役が無くなったことで、こういう若者向けの宣伝媒体がこれから増えていくのかもしれません。
by IZM (2011-08-09 03:16) 

ヴィトゲンシュタイン

ルフトヴァッフェの何がイイかって、実は軍服の色・・という単純な理由なんですよねぇ。
まぁ、その他にも勲章をいろいろ付けたりして、乗るときでも騎士十字章だけは首から下げてますしね(これはレプリカという噂も・・)。
今度はルフトヴァッフェが敵役となる、自由フランス空軍のエース、クロステルマン中尉の「撃墜王」というのも読んでみるつもりです。

>ドイツのTVでは現在「ドイツ軍紹介バラエティ」みたいなの
へ~、こっちでは自衛隊学校の訓練生とか、美人自衛隊員なんかが、チョロっと放送する位ですねぇ。

p.s. 例の動画、見始めましたよ。

by ヴィトゲンシュタイン (2011-08-09 19:44) 

レオノスケ

野原さんの本はドイツ空軍への「愛」に満ちています。92年度版を持ってますが「ドイツ空軍イケメン軍団」に改題しても良いかもしれません。

第三帝国の制服はどれも美しいのですが、ドイツ空軍のカッコ良さは芸術の域だと思います。制服のブルーと航空兵の兵科色のイエローは補色関係ですのでさらに美しく見えますね。ラムちゃんのセーラー服とスカーフの色・・・閑話休題。

ふと思い出しましたが映画「Battle of Britain」(邦題:空軍大戦略)の冒頭のシーンはまるでドイツ空軍のプロパガンダのようですね。ガーランドやメルダース役(名前は変えられてますが)が実にスマートに描かれており主役の英国空軍を完全に凌駕してました。

野原さんのこの本のような内容の濃さで第三帝国人物事典など誰か書いてくれませんねぇ。以前ヴィトゲンシュタインさんが書かれていた第三帝国のどうしようもない人物を集めたりとか・・・。

by レオノスケ (2011-08-09 22:20) 

ヴィトゲンシュタイン

>制服のブルーと航空兵の兵科色のイエローは補色関係ですのでさらに美しく
まさしくおっしゃる通り!
「大脱走」の空軍捕虜収容所の所長とか、「鷲は舞いおりた」の降下猟兵たちのカッコ良さを子供の頃に観ましたからねぇ。
「空軍大戦略」はちょっと忘れ気味・・。ガーランドっぽい人がゲーリングに「スピットファイア1個中隊くれ!」って言うヤツでしたか??
ちょっとDVD観直します・・。

>野原さんのこの本のような内容の濃さで第三帝国人物事典など
これは良くわかります。将軍じゃなくて、戦車兵とか白兵戦章金章付けた擲弾兵、とんでもない戦功をあげた「一発屋」なんかの、せいぜい佐官までが良いなぁ。
by ヴィトゲンシュタイン (2011-08-10 07:25) 

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