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ウィンザー公掠奪 [戦争映画の本]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

ハリー・パタースン著の「ウィンザー公掠奪」を読破しました。

リッベントロップ伝「ヒトラーの外交官」を読んだときに知った本書は、
個人的戦争小説No.1「鷲は舞い降りた」のジャック・ヒギンズが
別名で書き下ろした小説で、主役はSD少将、"ワルター"・シェレンベルクです。
ようやく綺麗なものを見つけましたので、早速、読破しました。

ウィンザー公掠奪.JPG

本書のストーリーは1940年のフランス侵攻後の対英作戦・・・、
「バトル・オブ・ブリテン」から英国本土上陸の「あしか作戦」を控え、
英国占領後のナチ傀儡政権の君主とすべく、
英国民にも人気のあるウィンザー公を誘拐しようとするもので、
シェレンベルクの回想録も参考にしつつ、実話に基づいたという小説です。

まずは良く知らなかった、タイトルでもある「ウィンザー公」が如何なる人物かというと・・。
1936年1月、英国王ジョージ5世の後を継ぎ、
エドワード8世として王位を継承したのちのウィンザー公は、かねてからの恋人
ウォリス・シンプソンとの結婚を検討しますが、彼女が人妻であることから、
離婚の禁じられているイングランド国教会首長兼務という立場もあって、政府や
一般市民の反発もあり、結局は即位から1年もしないうちに王位を返上することになります。

The Duke and the Duchess are greeted by Adolf Hitler on their visit to Germany in 1937..jpg

この「王冠を賭けた恋」と知られる出来事のあと、めでたくウォリスと結婚を果たし、
ウィンザー公の称号を与えられて、海外を歴訪しますが、
1937年にはベルヒテスガーデンに滞在するほど、親ドイツとなり、
英国政府からも煙たがれる存在となっていきます。

1940年のドイツによるフランス侵攻後はスペイン、ポルトガルと滞在し、
この波乱の時代に元国王としての己の存在をアピールしたいウィンザー公に
英国政府はバハマ総督という島流し的な扱いを打診。
それを知ったヒトラーはウィンザー公に接触を図ろうと画策・・。

このような状況下で本書は始まります。
外務大臣リッベントロップから特別な要請を受けたシェレンベルクですが、
直属の上司、SSのハイドリヒとヒムラーからも当然、
このウィンザー公に対する任務についての説明を求められます。

Heydrich & Himmler.jpg

それと平行して本書のヒロインであるドイツ生まれのアメリカ人女性をスパイ容疑から庇い、
ヒムラーとハイドリヒからはその女たらしぶりを責められますが、
シェレンベルクを実の弟のように可愛がるハイドリヒは容認気味・・。

一方、シェレンベルクを仕事の出来る男と買いつつも、誰も信用しないヒムラー
補佐を名目に屈強なゲシュタポ2人をシェレンベルクに付け、
リスボンでのウィンザー公との接触についても監視と報告に当たらせます。

schellenberg179.jpg

シャンパン商人と鶏養家」とリッベントロップとヒムラーを陰で呼ぶほど
上官の彼らを信用していないシェレンベルク。

30歳にしてSSの少将、優男で頭が良く、その上ナチの思想は興味なし、
拳銃の名手であり、格闘も見事な腕前という、
ナチス・ドイツにおけるジェームズ・ボンドという役柄を思う存分演じています。

事実に基づいたストーリーですから、歴史的に有り得ない展開はありませんが、
最後までシェレンベルクは「イイ男」っぷりを見せつけています。
ですが、前半のヒムラーとハイドリヒたちとの絡みのシーンが最も楽しめました。

Himmler talking with Ribbentrop.jpg

ヒギンズの戦争小説としては「鷲は舞い降りた」には遥かに及びませんが、
シェレンベルク・ファンなら、そこそこ楽しめるでしょう。
案の定、ロバート・ワグナー主演で映画にもなっていますが残念ながら未見です。
いろいろ調べてみましたが、全体的に出演者の年齢が高い、
渋めのロマンティック・スリラーといった雰囲気の映画ですね。

TO CATCH A KING.jpg

ハリー・パタースン名義では他にも、ベルリンからの脱出に成功した
マルティン・ボルマンが登場するという「ヴァルハラ最終指令」や
ジャック・ヒギンズ名義でもノルマンディ上陸前夜を舞台に
ロンメルも登場するという「狐たちの夜」もあるようなので、
今度、読んでみようと思っています。





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コメント 4

トイフェル

こんにちはプリンツ!どうでもいいことですが、この写真は向かって左からリナ・ハイドリヒ、ヴォルフちゃん、ヒムラーに続いて四番目のブロンド女性が、後のヨッヒェン・パイパー夫人ジグートだそうです[わーい(嬉しい顔)]手元にあるパイパーの伝記で知りました。ちなみにこの伝記、写真は素晴らしいのですがなにぶん英語なので、ほとんど読んでいません[涙]
by トイフェル (2012-02-25 14:09) 

ヴィトゲンシュタイン

ど~も。トイフェルさん。

ほ~。ヨッヘン・パイパーの奥さん・・、こんな感じでしたか。。自分で貼ってて知りませんでした。だいたい、リナ・ハイドリヒが写っていたのさえ、いま、気が付いたくらいです。ホント写真はテキトー・・。
>手元にあるパイパーの伝記
むむ。コレは「ヴィットマン―LSSAHのティーガー戦車長たち」を書いたパトリック・アグテの分厚い「Jochen Peiper: Commander Panzer Regiment Leibstandarte 」のことでしょうか?
それとも「Joachim Peiper A New Biography of Himmler's SS Commander」 のほうかな??
まぁ、ボクも英語ダメなのでどっちも持ってません。大日本絵画さん、日本語版出してください。。。


by ヴィトゲンシュタイン (2012-02-25 18:11) 

トイフェル

アグテ氏の前者です。例の略帽でにかっと笑ってる写真もありますが、テオドア・ヴィッシュ連隊長(当時)と並んで写ってるウクライナでの写真があたしには印象的で、あれで見る限りヴィッシュSS大佐はハイドリヒやシュトロープくらい大男だった様子です。ほんと、邦訳でないかなあ[涙]
by トイフェル (2012-02-25 20:34) 

ヴィトゲンシュタイン

ヴィッシュってなぜか、あまり知られてない感じがしますね。
全然、関係ないですけど、いまwowowで「英国王のスピーチ」観ました。
良い映画でしたねぇ。主役の2人の演技が素晴らしかったです。。「ウィンザー公」は最悪の男・・、ウォリス・シンプソンはさらに悪女って感じに描かれてましたけど・・。
by ヴィトゲンシュタイン (2012-02-26 00:41) 

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