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東部戦線の独ソ戦車戦エース1941‐1945年 [パンツァー]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

マクシム・コロミーエツ著の「東部戦線の独ソ戦車戦エース」を読破しました。

過去に「クルスクのパンター」を紹介した、「独ソ戦車戦シリーズ」からの一冊です。
副題に「WW2戦車最先進国のプロパガンダと真実」とあるように
独ソ双方の一般的に言われているエース戦車兵たちの戦果について分析を試み、
また知られざる戦車兵の紹介もしています。

戦車戦エース.JPG

まずはドイツ軍。「西側でナンバー1の戦車兵と言われるヴィットマン」から
いきなり始まります。
本書では彼の戦果(戦車撃破数)を公式の「138両」、および120両、147両という説も挙げ
クニスペル軍曹の「162」、カリウス少尉の「150」、ベルター中尉の「144」に次ぐ
「第4位」としています。
他にも50両以上の戦車撃破数を持つ戦車兵たちを紹介し、ヴェンドルフヴィリィ・フェイ
バルクマンなど以前にここでも紹介した名前も登場。

wittmann and  crew.jpg

Ⅲ号突撃砲や鹵獲T-34での戦果も紹介され、単なる重戦車による総撃破数での
判断では無いところが本書の楽しめるところでしょうか。
しかし、著者は彼ら戦車長たちの戦果というものには疑問を呈しており
これは特にT-34において戦車長が砲手も務めていたことから
ティーガーやパンターの戦車長は指示するだけで、実際は砲手による戦果」
という認識があるようです。

stugg_ac.jpg

その他オットー・カリウスの本を引用して、当時のソ連側の資料から検証しています。
まぁ、全般的にいろいろ水増しがあったのでは・・的な批判をしていますが、
感じとしては許容範囲内ですね。「撃破」の定義もさまざまで
このあたりはドイツのプロパガンダというよりも、Uボートでも良くあるような
船舶の大きさを間違えたり、駆逐艦から逃れるために沈没まで見届けられなかったりと
実際、損傷程度は負わせたものの、それを撃沈、撃破と報告したことが大きな要因でしょう。
人間、良い方に解釈したいですし、シュタウフェンベルク大佐にしても
「ヒトラーは死んだ」と同様の解釈です。

Burning T-34.jpg

個人的にこの「ドイツ軍の章」で楽しめたのは自走砲、突撃砲、駆逐戦車のエースです。
特に第519ナースホルン重戦車猟兵大隊第1中隊長のアルベルト・エルンストという
人物の戦果は80両という物凄いものです。

Albert Ernst.jpg

続いて、まさしく謎に包まれている「ソ連戦車エース」の紹介です。
こちらのナンバー1は、T-34のドミートリー・ラヴリネンコ中尉という人だそうです。
第4(第1親衛)戦車旅団の一員として、1941年のドイツ軍侵攻を防衛した彼は、
12月18日に戦死する2ヵ月半の間に、ドイツ軍戦車52両を撃破したということです。
この記録にも一応公平にプロパガンダ説を検証はしています。

「ソ連邦英雄」の称号を受けた戦車兵たちの戦記がこの後も紹介され、
だいぶ派手な戦いっぷりもありますが(例えば、フェルディナンド6両を撃破!・・)、
なかには、ソ連戦車の知られざる一面も知ることができて楽しめました。

Koursk_07.jpg

戦車兵の訓練はわずか3発の砲弾を放っただけで卒業・・・とか、
クルスク戦では新型の「鉄芯破甲弾」なるもので、500mの距離でしか
ティーガーを貫通できなかったらしく、さらにこの「鉄芯破甲弾」は
受領証明をしたうえで戦車1両につき「3発」という貴重品だったそうです。

また、この1943年からはドイツ戦車はほとんどが「チーグル」で
自走砲は「フェルディナンド」になったそうです。
これは良くソ連側がティーガーを何百両も撃破したといわれる所以ですね。

Ferdinand in KursK2.jpg

T-34などの戦車以外にもSU-122自走砲などの戦いも紹介され、
その後のソ連の攻勢からベルリン戦まで網羅しています。
戦車兵への「報奨金」という話もあり、ドイツ戦車1両撃破ごとに
戦車長、砲手、操縦手には500ルーブル、装填手と通信手は200ルーブルが支給され
さらにはかなり細かい条件が設定されています。

写真はなかなか良いものが多く、特に「40発もの37㎜砲弾を正面に受けているものの
貫通弾がひとつもないKV-1重戦車」の写真は、
これと対峙したドイツ兵は実に恐ろしかっただろうと想像できます。

KV-1E.jpg

本音を言えば、ロシアの女性戦車長なんかが出てくるのを楽しみにしていましたが、
残念ながら1人もいませんでした。
まぁ、女性の戦車エースなんかが出てきたら、思いっきり「プロパガンダ」臭いですかね。。


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