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シシリー島空戦記 -航空団指令の日誌- [ドイツ空軍]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

ヨハネス・シュタインホフ著の「シシリー島空戦記」を読破しました。

先日、連合軍モノの「降下目標、シシリー」を読破して
このシチリア上陸の「ハスキー作戦」におけるドイツ空軍の戦いも
読んでみたいと思っていたところ、本書を安く見つけることが出来ましたので
早速、一気読みしました。

シシリー島空戦記.JPG

著者のシュタインホフは以前にも紹介したジェット戦闘団を描いた
最後の反乱」も書いた、撃墜数176機、剣付柏葉騎士十字章の大エースです。
第44戦闘団で離陸時の事故により、顔が変わってしまうほどの
大火傷を負ったにもかかわらず、戦後はドイツ連邦軍の空軍総監、
そしてNATO軍事委員会委員長となった名士でもあります。

Johannes Steinhoff4.jpg

原題は「メッシーナ海峡」で、このタイトルを知れば、この戦記が
シチリア島からイタリア本土へ退却して行くドイツ軍の戦いであることが想像出来ますね。

1943年7月10日に発動される「ハスキー作戦」直前の6月からのこの戦記は、
シチリア島北西のトラパニの空軍基地を舞台に、
第77戦闘航空団のパイロットたちと、その指令であるシュタインホフ少佐の
すでに激しくなった連合軍の空爆による戦意喪失ぎみの状況から始まります。

Johannes Steinhoff_me109.JPG

この「空の要塞」B-17 フライングフォートレスの編隊に対して、
迎撃作戦を繰り返すものの、殆ど戦果を挙げられないことで、
戦闘機隊総監のガーランドからドイツ本土防衛での戦術を説かれますが、
戦地の違い、即ち本土防衛では撃墜されても、
国内に落下傘降下して午後には原隊復帰が可能であるのに対して
この海上が舞台の空戦では帰還できる望みが皆無であることが
心理的にもまったく違うのだ!と語っています。

Sizilien, Ausbildung bei der deutschen Luftwaffe.jpg

面白いのは、頻繁に登場する「ガーランド」はその名前が最後まで一切出ず、
ただ「将軍」や「閣下」とだけ呼ばれていることです。
ガーランドなのは間違いないですが、何か理由があるのか?
と変に勘繰ってしまいますね。

そしてそのガーランドの口から伝えられるゲーリングの命令、
「対爆戦闘における臆病な行為により、各戦闘群から1名を戦時裁判にかける」や
「卑怯者のパイロットは空軍歩兵部隊へ転出させ東部戦線送りとする」
などに対して憤慨し、本書でもゲーリングの「勇敢」か「卑怯」かという古い考え方を
「前大戦で騎兵が勇敢に正面突撃したのと同じだ」と断罪しています。

Goering99.jpg

本書では触れられていませんが、これらのゲーリング発言が
やがて将校団の「最後の反乱」へと繋がって行くことになります。

シュタインホフ自らの空戦記録や部下のパイロットたちとの興味深い対話と
生活の様子も非常にシリアスですが、後半になって登場する
撃墜されたカナダと英国の捕虜2名との晩餐や
イタリア航空団指令と心を通わせるシーンは特に印象的です。

Johannes Steinhoff5.jpg

また、個人的には本書のなかでの回想シーンである、スターリングラードでの
第6軍の攻勢、包囲を空から支援した数ページがかなり得した気分になりました。。
以前にも書きましたが、この第6軍の包囲陣へ無茶な空輸を敢行した
パイロットたちの戦記をもっと読んでみたいですね。

stalingrad-ende023.jpg

高速爆撃航空団指令のテメ少佐が撃墜され、シュタインホフの所を訪れます。
そして彼が撃墜されたのは・・・コルレオーネ村・・・。
映画「ゴッドファーザー」のファミリーの由来となったあの村です。
こういうのが出てくると異様に嬉しくなってしまいます。
「ゴッドファーザー」好きの方はコルレオーネと言ったら、誰の顔を思い浮かべますかね?
マーロン・ブランド、或いはアル・パチーノですか?
自分は、間違いなくロバート・デ・ニーロです。。。。

Vito Corleone vs Michael Corleone.jpg

空戦記としては、まったくと言って良いほどに爽快感がゼロである本書は
バトル・オブ・ブリテンから終戦まで戦い抜いたシュタインホフが
この数週間を戦記にすることに決めた理由から伺えます。
それは「実行不可能な命令により、敗戦を意識しだした」という
彼自身の転機となる戦いであったことによるようです。



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