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降下目標、シシリー [USA]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

W・B・ブリューア著の「降下目標、シシリー」を読破しました。

「序言」を書くのは、ジェームズ・M・ギャビン中将(元第82空挺師団長)。
ヴィトゲンシュタインが連合軍の将軍をあまり詳しくないのはご存知だと思いますが、
さすがにこの名前には「おっ!」となりました。
「さては・・」と思い、ちょっと調べてみると、ビンゴ!
遠すぎた橋」の腰の痛いライアン・オニールです。
不得意な戦記でも、このような「知人」が登場するとモチベーションがぐっと上がりますね。
ちなみに「史上最大の作戦」ではロバート・ライアンが演じていました。

降下目標、シシリー.JPG

このハスキー作戦は連合軍初となる大降下作戦を併用したシシリー島上陸作戦であり、
来るべきノルマンディ上陸作戦の本番演習的な作戦としても良く知られています。

リッジウェイ第82空挺師団長(当時)の2個連隊を中心に描いた本書は
英国のブラウニング将軍が指揮する空挺部隊との合同作戦であり
グライダーとC47輸送機の降下作戦は、午前0時の夜間降下と強風という
最悪の条件下で行われ、対空砲は枢軸軍のみならず、味方の艦船からの誤射もあって
予定の倍のスピードと3倍の高度からの降下となってしまいます。

RIDGWAY and GAVIN.jpg

そして連隊長のギャビン大佐を中心にバラバラとなった降下兵たちは
ここが目的地点どころかシシリーではなく、マルタ島かサルディニア島では?
と疑うほどの混乱した状況で孤立してしまいます。

しかし幸いなことにイタリア軍はまったくやる気が感じられず簡単に投降し、
ドイツ軍もヘルマン・ゲーリング戦車師団以外は結構あっさり白旗を挙げます。
これは結果的に広範囲に渡って降下したことで、大規模な数個師団が
上陸したとの印象を与えたことにもよるそうです。

505th.jpg

その対戦相手となるドイツ軍の登場人物は、南方方面軍司令官のケッセルリンクを筆頭に
ヘルマン・ゲーリング戦車師団のコンラート将軍といった面々です。
一時ベルリンに戻っていたガーランドに、ゲーリングが「とっとと戻らんかい!」というような
オマケ的な話も出てきたりもしました。

Paul Conrath.jpg

予定降下地点とはまったく違うことから、英軍とアメリカ軍が間違って銃撃戦に陥いり
互いに「なんでこんな所にいるんだ!」という笑い話もありますが、
この辺り、エリートの降下兵とはいってもほとんど初めての実戦であったという
ことを証明しているようですね。

British Army Allied invasion of Sicily.jpg

このような個々の戦い以外にも興味深かったのが、双方の情報戦です。
ウルトラでヘルマン・ゲーリング戦車師団の存在はわかっていたものの、
連合軍はこの件を極秘として、シシリーには弱小の守備隊がいるだけという
ウソの情報を自軍の空挺部隊に伝えて作戦を実行した上層部も大したモンです。
もちろんこれは、ドイツのエニグマ暗号を解読していることを悟られないようにするためですが、
一歩間違えれば「遠すぎた橋」同様の結末を迎えたかも知れませんね。

medic_sicily_1943.jpg

一方の枢軸軍側も連合軍の作戦の情報を掴んでいて、
「アメリカの降下兵は犯罪者で構成されていて・・」と島民に協力しないように呼びかけます。
そんなことの知らないアメリカ降下兵たちは、気合を入れて頭をモヒカン刈りにした上に
顔にはクロズミを塗って戦闘準備完了・・。

82nd_airborne_all_american_chorus.jpg

ギャビンの「序言」では如何にも軽装備の降下兵だけで
ヘルマン・ゲーリング戦車師団に勝利したかように書かれていますが、
読んでみればさすがにそれは大口を叩き過ぎているというもので、
バズーカなどでその前進を食い止め、
上陸したブラッドレー率いる歩兵師団やシャーマン戦車が撃退したようです。

O'Neal  Bridge Too Far.JPG

まぁ、それでも中盤まですっかり孤立してウロウロするだけで、
まったく出番のなかった連隊長のギャビン大佐は、
最後にはパットン中将に労いの言葉を掛けてもらい、ウイスキーを飲み交わして感動・・。
いや~、さすがGIといった感じです。

シシリー島ものではドイツ側で、ヨハネス・シュタインホフ著の
「シシリー島空戦記―航空団司令の日誌」が以前から気になっています。
結構、良い値段するんですよねぇ。



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