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バルジ大作戦 [戦記]

ど~も。ヴィトゲンシュタインです。

ジョン・トーランド著の「バルジ大作戦」を読破しました。

ヘスラー大佐」好きながら、この有名な映画の原作には
未だ手を出していませんでした。
まぁ、映画は映画で、このノンフィクションである原作とは内容がかけ離れている
ということを知っていたからでもありますが・・。

アメリカ人の著者が描くこの「バルジの戦い」、ドイツ側からすれば
「アルデンヌ攻勢」や「ラインの守り作戦」と、この戦役の呼び名は様々ですが、
本書の内容的な割合は連合軍:8、ドイツ軍:2といったところでしょうか。

バルジ大作戦.JPG

この攻勢の主役となる第6SS装甲軍を率いるゼップ・ディートリッヒの紹介では
「街のごろつきみたいな男で、せいぜい師団長しかやれない人間だったが、
ヒトラーはこのバヴァリアの肉屋のおやじを9個師団編成という大きな軍の
司令官に任命したのである。」
その後もディートリッヒは「肉屋のおやじ」の域を出ない扱いで
いつの間にか出て来なくなりました・・・。

Mohnke_Meyer_ Sepp Dietrich after award decoration in Normandy.jpg

ドイツ側の登場人物すべてがこのような扱いをされているわけではなく、
第5装甲軍のマントイフェルと降下猟兵を率いるフォン・デア・ハイデは好意的に書かれていて
これは2人が男爵だからでしょうか?著者の好みが出ているような気もします。
推測ですが、著者がインタビューをした人物は好意的なのかも知れません。

Ardennen_Von_der_Heydte.jpg

「ヨーロッパで最も危険な男」スコルツェニーは前半の主役の1人です。
この「グライフ作戦」でアメリカ軍が大混乱した話はやっぱり面白いですね。
アメリカ兵に変装したドイツ降下兵が後方にいるという噂から、
将軍すら信用されない事態となり、質問攻めになります。

skorzeny99.jpg

「カブスがアメリカン・リーグなどと言うヤツはドイツ野郎に違いない!」
しかし憲兵は将軍に誰何するのを多少面白がっていたようです。

「ヘスラー大佐」のモデルとされるヨッヘン・パイパーSS中佐登場の場面では、
「この強烈な若いナチの戦闘部隊長パイパーは、ソ連戦線で将軍たちの命令を
聞かなかったことと、果敢な戦車戦をやるということで、すでに有名になっていた男だった。」
というゼップ・ディートリッヒ寄りの扱いかな?と思いましたが、
いやいや、そんなことはありませんでした。

Joachim Peiper2.jpg

捕虜にしたアメリカ軍のマッカウン少佐との紳士的な態度と扱いは
エピローグで語られるマルメディ裁判の様子に至るまで、
彼の人間性を評価し、「なぜ、このような人物がナチなのか・・?」と
著者も疑問に感じているようでもありますね。

そしてこの有名な「マルメディの虐殺」事件と、それを伝え聞いたアメリカ軍兵士たちが
復讐の如く、捕えたドイツ兵を皆殺しにしたりと、
アメリカ軍を決して綺麗に描いている訳ではありません。
それは開放されて喜ぶルクセンブルクでもドイツ語を話す市民の女性に対し、
アメリカ兵が「ドイツ野郎!」と罵ったりと憎しみと無知から様々なトラブルもあったようです。

Peiper at Malmedy Trial.jpg

混乱した英米連合軍は迅速には統一した反撃ができないだろうという
ヒトラーの読みは当たっていたようですが、
コックだろうがなんだろうが、非戦闘員も総動員して粘り強く防衛したアメリカ軍部隊と
アイゼンハワーを中心にモントゴメリーとパットン
そしてこの仲介役とも言えるブラッドリーの悪戦苦闘の活躍によって、
この攻勢が早々に行き詰まり、かつ、反撃を受ける結果になった・・
というのがストーリーの軸であり、全体的な印象です。

Eisenhower, Montgomery and Bradley.jpg

燃料切れで立ち往生したパイパーに空輸を試みるものの
パイパーの位置報告を信用しないライプシュタンダルテ師団長のモーンケが
位置を誤認して、ほとんどがアメリカ軍陣地へ投下されてしまったという
ドイツ側の小話も多少はありますが、
ほとんど、名前も知らないアメリカ軍の登場人物によるエピソードが続々と出てくるので
下巻はちょっと参りました・・・。

大判でドイツ軍の写真が盛りだくさんの「バルジの戦い」を購入しましたので、
近々、じっくり楽しみたいと思います。







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